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「尚君。事務の従業員さん達も帰ったし、尚君も今日はもう終わりにしていいわよ」
祖父の後ろからひょこっと顔を出した祖母にそう言われ、俺は首に掛けていたタオルで額の汗を軽く拭きながら「うん。じゃあスーパー行ってくるわ」と答えた。
「私が腰を痛めてるせいで、最近は尚君に食事の用意までさせてしまって悪いわね」
「別にいいよ。母さんは料理苦手だし、俺も楽しんでやってるしね」
そう言って、俺は縁側で靴を脱いで自宅へ入ると、軽くシャワー浴びてからTシャツを着替えて再び外に出た。
以前は祖母が愛用していた自転車に跨り、ペダルを漕いで丘を下る。
夕方の涼しい風が、疲れた身体に心地良く吹き抜けた。
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