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帰宅後、キッチンで食事の用意をしていると、妹の香耶(かや)が「お兄ちゃん」と声を掛けてきた。 香耶は、俺より七歳年下の高校二年生。学校から帰ってきたばかりなのか、まだ制服を着ている。 「香耶、どうした?」 「お兄ちゃんに、ちょっとお願いしたいことがあって」 「お願いしたいこと?」 やけに神妙な様子に見えたから、俺はいったんコンロの火を止め、香耶に向き合った。 「あのね。今週末、一緒に東京に行ってくれないかな?」 「東京?」
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