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ママ上救出大作戦
「母上……」
「だ、…じょうぶ……ゲホッ゛」
ま、ママ上…もう瀕死ですやん
カーニバルがハンニャバルしてるやん……(???)
……このままだとママ上が苦しむばかりで何もアクションが起きない。むしろ衰弱死してしまうかも
仕方ない。やるしかないなこりゃ
どれほど考えても、どれほど知識を学んでも、どれほどパピーの野郎に媚びようと。ママ上に対して俺ができるのは一つしかなかった
したくない。だけれどしなければならない
グダグダと悩んでた結果がこれだ。ママ上は白いローブに鮮血の花を開いて苦しんでいる
………もう、俺がわがままを言っている場合ではない
こうするしか………こうするしか!!方法がないんだ!!!
「あぁ、母上。私のためにこんなに労しいお姿になって……」
魔力を、ママ上の辺りに集め始めた
「風邪だからすぐ治るなんて……嘘じゃないですか……母上……」
風邪であって欲しかった
それならば幸せな日々は続くのに
「………残念です…………母上」
母上へ、手をかざす
おっふやっべ。目を開きすぎて塩水が…
「美しいまま眠ってください。ね?」
「!?……ア゛.…ガァッ゙……あ、ズゥ……」
ごめん。ママ上、これしか方法がないんだ……
どんどん俺の魔法に沈んでいくママ上、その姿さえ美しい
やっぱ国宝級だわ………あぁ、嫌だなァ……
違う場所に転移させて死んだように見せさせるの
え?画面の前にいるチミ達。もしかしてこの俺がママ上を殺そうとしてるとでも思った?
いやァナイナイナイwwwありえなさ過ぎてワロタwww
俺は1回闇魔法を展開させ、その下に予め仕込んで置いた転移魔法を発動!そんでもって俺が作り出した亜空間へママ上を転移させただけですぅぅぅwww
フフん、これでも手先は器用なもんでね。闇と無を組みあわせた2属性魔法の応用なんて、俺にとっちゃラクショーラクショー!
…………ま、その代償と言わんばかりに俺火とか水とか諸々使えないけどな(白目)
アァ……これはメラゾーマでは無い。メラだ。とか言ってみたかった、残念
話がそれたな、とりま俺がなぜ悲しんでいるか理由を説明しようか
んま理由なんだけどさ、そのうちの一つは俺単純にママ上と離れたくなかったんだわ
いやほんと。冗談じゃなくてマジで
優しいし、綺麗だし、料理は……いやまあそこはいいとして完璧な麗人。こんな目の保養になる方を手放したいと思うやついる!?!?いねぇよなぁ!?!?
だから俺離れて暮らすの嫌だからこの方法は使いたくなかったんだよ!!!
ふぁ!?!?いーさ別にィ!!マザコンだろうがガキだろうがどうとでもほざけ!!
俺は純粋な美麗お兄さん成分に飢えているんだ!!!()
あぁー〜!!もう!!
俺も亜空間に行ってママ上とたわむれてぇぇぇぇえええ!!
「マリー、早く…………アスモデウス、マリーはどうした」
……来たか、ラスボス
「……母上には、眠ってもらいました」
俺がこの方法を使いたくなかった理由、ほぼママ上と離れてしまうからであるがあと一つある。諸悪の根源であるパピーの存在だ
パピーはママ上にめっっっさ執着している。ママ上が消えたとなれば、矛先はママ上に顔がそっくりな俺に向くだろう。
それは別に構わない。自衛ぐらいは何とか、なる、……はず?うん、なんとかなる
ただ、亜空間に残すママ上は自分のせいでと自身を追い詰めてしまうだろう。そんな辛い想いを、ママ上にして欲しくない
だから、出来ればしたくなかった。……長い年月の中、それの突破法も見つけたけれどそれはもっと使いたくない
……だけど、俺の存在はママ上に散々迷惑をかけてしまった。今度は、仇ではなく恩を返さなければ。それがどんな結果になろうと
「母上は病で体を蝕まれていた……なら」
「美しいまま眠ってもらうのが筋というものではないでしょうか?ねぇ、父上」
「……ククク、アッハハハハ!そうだな、アズ。お前の言う通りだ。美しいものは美しいままでいてもらうに限る。さすがは俺の息子」
「ありがとうございます」
うえ、流れるようなデコキス
くっそコイツ慣れてやがる。リア充爆ぜろ、そして滅びろ
恨み節を考えながら虚無を見つめる先には、空になったベッドがあった
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