雪の降った日
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「雪」が降った。 音の消えた町に、「雪」がしんしんと降り積もる。 熱を無くした道が、家々が、路傍に横たわる人が白に覆われ消えていく。 生命の跡が無へと帰していく。 「ここももう、駄目だな」 顔の見えない誰かが呟いた声は景色の中に空しく消えて、足跡だけが「いた」という事実を残す。 誰かは去り、再び静寂が訪れる。 こうして、一つの場所が生き絶えた。
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