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真那はたまらず声をあげた。
「い、いや、恋なんて……!」
しかし男はそれを待っていたかのように言葉を返す。
「いいや、恋してるんだよ。あの家の学生さん」
「え? 学生?」
「うん、そうだよ。眠れないんだろうね、きっと」
「どういうこと? さっきからなにを……」
わけがわからず戸惑う真那に、男は言った。
「今日、あの子、参拝に来てたからね。君の神社に」
「はぁ?」
真那の全身を流れる血液は、別の熱を帯びた。
心の奥に芽吹いていたなにかが、その熱で、暑さに耐えきれない花のように萎れていく。
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