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猫はため息をついた。
「さっさとかごから出て来な!」
カナリアはゆっくりと出てきた。猫は言った。
「ほら、窓が割れてるぜ。行けよ!」
「え?」
「お前は自由だ!大空を飛びたいんだろう?」
「私を襲わないの?」
「おれは洗練された家猫だからな」
「ありがとう」
カナリアは飛び立った。窓枠に引っ掛かっている帽子掛けにとまると、猫の方を振り返った。
「でも、行けないわ。旦那さまは、私を襲ったってあなたをお叱りになるもの」
猫はカナリアを見上げて言った。
「おれのことは心配するな。あばよ!」
カナリアは、割れた窓から外に飛び立った。
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