ホワイトムスクの贈り物

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「いや、私が開けますよ」 私は上杉さんから鋏を受け取り、箱のテープを切った。 箱の中から金色の招き猫が出て来た。 「招き猫ですか…」 「ええ…」 「手紙とかは…」 「ありません…」 私は梱包材を全て箱から出したが、招き猫以外のモノは何も入ってなかった。 その招き猫をテーブルの上に置く。 焼き物のそれとは違い、型に紙を張ったモノの様だった。 所謂、張りぼてと言うモノ。 「この招き猫、両手を上げてますね」 上杉さんは招き猫の真似をして両手を上げる。 確かに両手を上げている。 お手上げという意味なのだろうか…。
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