ホワイトムスクの贈り物

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「さあ、戴きましょう」 上杉さんは私の向かいに座った。 ふと上杉さんの皿を見るとチキンステーキが載っていた。 私はナイフとフォークを持つ上杉さんの手首を無意識に掴んだ。 上杉さんは驚いて私を見ていた。 「あ、いや…。私のはビーフステーキですよね。上杉さんは何故チキンステーキなんですか」 私は素朴な疑問を上杉さんに訊いた。 「あ、牛肉のステーキが一枚しか無くて…」 と上杉さんはまたチキンステーキにナイフとフォークを構える。 「良いのですか…。何なら取り替えますよ」 私は自分の皿を手に取る。 「良いんですよ。私はチキンステーキも大好きですし、それに…」 「それに…」
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