ホワイトムスクの贈り物

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猫を題材にした作品ってのは結構ある。 その歴史は古くは古典落語の時代にまで遡る。 確かに、「猫の皿」「猫怪談」「猫の忠信」なんて物もある。 それに怪談噺には猫は付き物だったりもする。 古くから日本では、猫は人に寄り添って生きているのだろう。 私はインターネットで「猫」を検索し、色々と読んでいた。 椎名先生に贈られた招き猫に何かの意味があるのでは無いかと思った。 猫派か犬派かなんて論争もあるし、猫好きの芸能人も多い。 「先生…」 ふと顔を上げると書斎の入口で腕を組んで立っている上杉さん。 「仕事されてないですよね…。また缶詰になっちゃいますよ」 先日、郊外のビジネスホテルで初めて缶詰と言うモノを経験し、二度と御免だと訴えた所だった。 「いや…。ちょっと猫が気になってね…」 私は慌ててインターネットを閉じた。 別に如何わしいサイトを見ていた訳でも無いので閉じる必要は無かったのだが。
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