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耐えがたい苦痛
放課後になり、嗣博と賢四郎は約束通り波玖を学校近くの運動場に呼び出した。そして人が来なさそうな目立たない隅っこで、嗣博が
厳しく追及した。
「お前さー、根暗に見えて結構な女好きだよな?俺、知ってんだよね。お前、体育の授業前に女子の着替えガン見してたろ?まあ気持ちはわかるけどよ。スタイルいい女はこのクラス多いし」
「い、いや僕はそ、そんなこと……」
「おい、俺たちに逆らう気か?お前、一回スマホ見せてみ」
「あ、ちょっと……」
今度は賢四郎が嫌がる波玖を制して、無理やり彼の右ポケットからスマホを奪い取った。
そして2人は、笑いながらスマホ内部のフォトを確認し始めた。その間、波玖はビクビクと震えている。
「何これ、エロ画像のスクショばっかじゃん。やっぱ俺の予想あったりぃ~!ん?おい、賢四郎。見てみろよこの写真」
「どれどれ……うわ、ヤバこいつ!自分の下半身撮ったの保存してる(笑)」
背の高い2人の不良に恥ずかしい写真を見られ、いてもたってもいられなくなった波玖は、声を荒立てて反抗した。
「返せ!それは僕の携帯だ!」
「はーい、ちょっと待ってねむっつりスケベくん!今嗣博が大事な"証拠"移してるところだから、さ(笑)」
暴れる波玖を、賢四郎がふざけて取り押さえる。その間に嗣博は、波玖が自撮りした下半身の写真を自身のスマホに素早く送信した。
「波玖。お前、この写真"学校裏サイト"にばらまいてやろうか?これ兵頭波玖くんのチ○ポですって。どうなるか、わかるよな?」
嗣博は波玖のスマホを頭上に振り上げ、奇妙ににやけて言った。そして続けて迫った。
「そんなことになったら、もうお前恥ずかしくて生きていけないよな?」
「自殺しちゃうかもしれないでちゅねぇ〜」
波玖を拘束している賢四郎も、赤ちゃん言葉で煽る始末。波玖はもう精神が限界だった。
「頼む。本当に恥ずかしいから返してくれ。この件は秘密にしておいてくれないか?何でもするから……」
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