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するとその言葉を待っていたと言わんばかりに、嗣博は波玖を脅した。
「なら明日から毎日放課後にここへ来て、俺たちに10万ずつ渡せ。親の財布から抜き取ってでも用意してこい。そうすりゃこの写真は消して、ばらまくのは見逃してやるよ」
「用意できなかったら即拡散〜、ヘッヘッヘ!」
相変わらず賢四郎は、嗣博の脅しに乗っかってふざけて笑っている。本当にたちの悪い不良コンビだ。
「そんな大金、毎日なんてとてもじゃないけど……」
「じゃあ、今すぐ流そっかなあ。女子が見たらどう反応すんだろ」
「わかった!明日から毎日20万持ってくる。だから…画像の拡散だけは勘弁してくれ」
嗣博の異常な勢いに心底ビビり、波玖は観念したように金の受け渡しを承諾してしまった。
「聞き分けいいじゃん。期待してるぜ?お坊っちゃん。行こうぜ賢四郎」
「おう。じゃあな、金づる!」
恥ずかしい写真をだしに使い、波玖を完全支配下に置いた嗣博は、賢四郎とともに運動場を立ち去った。一人取り残された波玖は、静かな広場で孤独に泣いた。
「うう、なんでこんなことに。あんな写真が出回ったら、俺マジで自殺に追い込まれるよ。だけど金の用意なんて……親に黙って盗むの罪悪感あるし…どうしよう。うう、うわーん……」
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