prova

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 プローヴァは冷たくなってしまったカデナを見ていた。    まだ14歳で大人じゃなかったはずのカデナ。  まだ3年は生きれたカデナ。まあ仕方ないけど。  弟のようにかわいがっていた分、プローヴァは少しの寂寥感を胸に感じた。  でもミーナのように慟哭はしない。この街のだから。    『この街から逃げる』という考えは子どもにはあってはいけない考え方だ。    みんな大人になったら死んじゃう。なら僕たちもそうなるのが当たり前。  この街のみんなが大好き。ならこの街にとどまるのが当たり前。  『当たり前』を疑ったらいけない。疑っても表に出してはいけない。  それをしたらになってしまうから。
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