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この街は一面真っ白。
灰が降って、積もって、溶けなくて、地面には灰が降り積もっているまま。
大多数の建築物は二階部分まで灰が積もっていて、完全に埋もれた建物もある。
この街は山に囲まれてはいるが近くに火山はない。なのになぜ街がこんな状況になっているのかは誰も知らない。
カデナたちがいるのはその中でも灰がすべて除けられた小さいスペース。
もともとは彼らの「学校」の一部だった場所。
高く積もる灰との高低差があるため、まるで灰の地面に穴が空いているかのように見える。
「あと何人残ってるの」
再び少女がたずねた。カデナはパラパラと手元の紙を繰り、
「731人」つぶやくように言った。
「明日は我が身、かもしれないよprova」
カデナは少女を見上げて顔に苦笑をたたえながら言った。
「そうね、」
少女、プローヴァは空を見上げて言った。
「覚悟しとかないと」
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