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「ん? 色々助言を貰って、何でこんな事になっているか調べるよ。……もし、これが夢じゃなくて現実で、『妹』が私の代わりになれるのなら、それでもいいんじゃないかと思う。もしそうなら、私は彼女がこのまま生きていける様に手助けしたいの」
本心だった。登場人物達は、私の分身だけど、同時に一つの理想形だ。作者よりも、ずっと魅力的で優れている。
でも、秋山はその言葉に首を振って、私の肩を掴んだ。
「それは間違ってる。絶対にだ。君は責任を感じているんだろうけど、まだ何も真相は分かっていないんだ。君たち姉妹は似てるんだと思うよ。多分そっくりだ」
「私の話聞いてた? 似てないんだって。あと、手、痛い」
「あっ、ごめん」
秋山は慌てて手を離した。
「俺が似てると思ったのは、自分の中に問題を抱え込んで自己完結して結論を出しちゃう、そういう所だよ。焦る必要なんて何処にも無いじゃないか。結局、言葉にして話さないと伝わらない事はあるんだ」
「でも今更、何を話せばいいの?」
「それは勇気を出して聞くしかない。一人じゃ手に負えない問題も、二人なら解決の糸口が見つかるかもしれないだろ。俺も一緒に考えるよ。言っただろ、手助けするって」
自分の書いたキャラクターに慰められるのって、何だか不思議な気分だ。
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