3. コンプレックス

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「秋山って見た目に寄らず、いい奴だね」 「その台詞は問題が解決した時の為に、取っておいた方が良かったんじゃない?」 「だって、言葉にして話さないと伝わらないでしょ?」  私がそう言うと、秋山は豆鉄砲を食らった様な顔をしてから、目を細めて笑った。 「じゃあ、どうしよっか。あの公園に夕方になったら向かうとして、まだ結構時間があるでしょ? かと言って、遊んでる訳にもいかないし」 「……もっと楽しんでもいいんじゃないか?」  秋山は何でも無い事みたいにポツリと呟いた。 「えっ?」 「だって今、妹ちゃんは君の体に入っている。つまり、君の体がある場所にいけば、彼女に会えるんだよ。これはある意味、大きなアドバンテージだ。音信不通の幽霊を探すのとは全く違う。行方不明になる心配も無い。今は主導権を握られてるけど、それは君が弱気になっているからだよ。いつかは、気合い入れて向き合う必要があるかもしれないけど、それは今すぐじゃない。そんな調子だと体が持たないよ。ほら、笑って」  そう言うと、秋山は両手の人差し指を私の頬に当てて、無理やりえくぼを作った。
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