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「うん。悪くない。それに中々、生霊になれる機会なんてないんだ。少しくらい楽しんでもバチは当たらないって」
「そうかな。……でも、特にやりたい事無いし。何かあるの?」
「そうだな」
秋山がパチンと指を鳴らす。
「樹里。残留思念食べてみないか」
「……興味ある」
「よし! 決まりだ。じゃあ、急ごう。実は今日はまだ何も食べてなくて、お経聞いてる時から眩暈してフラフラだったんだ」
秋山は屋上のドアに向けて、大袈裟に千鳥足で歩き始めた。
「よく、それでさっき飛ぶとか言ったね」
「男には、やらなきゃいけない時があるんだよ」
「ふうん」
私も秋山の後ろを歩いていく。最初より少しだけ近い距離で。
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