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「……」
その日、俺はいつもの様に神社に来ていた。
この地域では雪は降るがつもる事は珍しいのだが、その日は珍しく降りつもり、しかも合わせた手がとても冷たい。
「ふぅ」
ただ「ルーティーン」とは言っても、それとは関係なく今日はお参りをちゃんとしたかった。
なぜなら、今日は就職活動の面接の日。
自分としても出来る限りの事はしたつもりだったけど、運も大事だろうと思うから、結局は神頼みをしに来たというのもある。
ここの神社には賽銭箱の近くに仏像があり、パッと見た感じは女性の様にも見えるが、その仏像は変わった耳飾りを付けていた。
しかし、ここは住んでいる場所から近い神社という事と俺自身、そういった事にあまり興味がないという事もあり、どういった御利益があるかどうかは……実はあまり知らない。
神頼みをしているくせに……と我ながら笑ってしまいたくなるけど。
「さて、行きますか!」
そして、今日は雪が降りつもった事も考慮していつもより早く家を出た。だから、多少電車が遅れていても十分間に合うだろう。
「……ん?」
そんなお参りを終えた時だった。神社の近くにある公園で、雪が降りしきる中。傘も差さずに一人ブランコに座っている少女を見たのは――。
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