駿と瑠羽は親友…?

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駿と瑠羽は親友…?

一年生ながらサッカーがうまい駿。幼馴染のあたしから見てもカッコよくなってるし、否応なしに目立って、同級生ばかりか先輩女子からもモテてる。 でも駿は駿、変わらない。変わらないことにホッとしてるのか、少しは女子として意識して欲しい気持ちもあるのか…自分の気持ちに蓋してるけど、駿とはいつも一緒だからもしかして気づかれてるのかな…とも思って、思い切って聞いてみた。 いつも通り、あたしの部屋で勉強しておやつを食べてたとき。あたしたちって、何だろね、と聞いてみると、そーだな、親友だな、つーか家族だろ、って。 親友かぁ…家族、ね。 そうだよね、これからもよろしくね、と、半べそになりそうなのを何とかこらえて答える。 こちらこそな、って笑い合っておやつ食べたけど、あたしはもう、砂を噛んでるような味しかしなかった。 夏休み、駿は部活に明け暮れて、宿題終わんね、助けてくれ~、と部活以外はほぼあたしの部屋で過ごして、息抜きしよーぜ、と夏祭りに出かけたり、自転車で少し遠くの花火大会行ったり、まるでカレカノみてぇだな、って言ってたのに。 秋の終わりにラブレターをもらうと、駿はその子と付き合いだした。 いかにも女子っていう感じの可愛い子。駿の好みってこういう子なんだ…あたしと全然違う。 毎年クリスマスは駿と、っていうか4人で過ごしてたのに、今年は違うんだな…と、その子に駿を取られてしまって悲しい気持ちはあるんだけど。 笑っちゃうくらいに違うから、諦めもつくってもんね。 そう思ってるのに。 駿の、あたしへの距離も態度も変わらない。 「…駿さぁ」 「あー?」 あたしの部屋で勉強してるとき。 「…いいの?一緒に勉強してるって知られたら、嫌がらない?」 「は?」 顔も上げずに問題解いてる。 「勉強してんのになんだよ」 やっと顔上げた。 「だって…付き合ってる子いるんでしょ」 諦めてるはずなのに、ことばにすると胸がチクッと痛い。 「あー、もう終わった」 え、そうなの?聞いてないけど。 「毎日連絡しろだのってうるせーんだよな、部活とか忙しんだっつの」 また問題集に目を落として解いてる。 「付き合ってたら連絡欲しいもんじゃないの?」 「人によるだろ、ま、合わねーってことだったんだな」 そうなのかなぁ、あたしならどうだろ。 「ん?瑠羽誰かいんの?俺いたら邪魔?」 「へ?」 素っ頓狂な返事しちゃった。 「ははは、そーか、邪魔じゃねんだな、よかったわ」 駿は笑いながらおやつに手を伸ばす。 「何よそれ、あたしだって」 言いかけて慌てた。何を言い出すつもりなのあたしは! 「ん?」 「なんでもない」 明らかに態度不審だけど、気にしない。 「もしかして…振られた?」 「んー、そうなんのかな、どっちでもいーけど」 告白されたから付き合ってみたけど、っていう程度だったのかな。 慰める?こんなとき、親友としてはどう振舞えばいい?と思ってたら。 いつの間にか、ひとつ上の先輩と付き合ってた。前の子に増してキレイな人。 完っ全に勝ち目ない。勝ち負けじゃないのはわかってるけどね、そう来たか、って感じ。 しかも、同級生より話わかってくれていいわ、あんましつこくねーし、って、前回と違って惚気聞かされて、はいはい、幸せでよかったね、ごちそうさま!って言ってあげた。 親友としては最高でしょ、これでいいんだよね。 今度こそ取られちゃった気分。寂しいけど…もういいや。 この気持ちに気づかれないように努力(これを努力っていう?)しててよかった、ってことにしとく。 駿は大事な親友。だから諦めよう、もう終わり。 そう決めたのに、駿はやっぱり、あたしへの距離も態度も変わらない。 気づけばそばにいるし、これじゃあ忘れようとしてもなかなか難しいよ…
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