魔法使いと2人の少女

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絶望の朝がまたやってきた。目が覚めた直後は体が樹脂で固められたみたいに動かない。学校という名の地獄に行くのを体が拒んでいる。 毎朝起きるたびに頭の中で絶望の文字が浮かぶ。トンカチで頭をぶっ叩いてもらうか、睡眠薬を多量に飲むかして意識を失う他、文字を消す方法がない。 目覚まし時計の音を延々と聞いてから、ようやく強ばりの取れた腕の筋肉を使って時計のアラームを止める。 そうやって私の毎日が続いていくのだ。 そんなある日のこと。 相変わらずしつこいいじめは続いていて、帰り際に蹴られたお腹をおさえながら下校した。日に日にエスカレートしている。痛そうにして帰ったらお父さんに心配されるので、痛みが和らぐまでどこかで時間を稼がなくちゃいけなかった。 公園は人が多いからいけない。もう人を見るのも嫌なくらい人間不信に陥っている。誰もいない所で休みたかった。 人気のない場所を求めて歩いていると、だんだん景色が家々から田んぼに変わった。気温差の激しい秋、昨日は暖かかったのに今日は肌寒い。どこか建物の中で休まないとますます具合いが悪くなる。 田園地帯の道に箱みたいなものがあって、近づいてみると木でできた小さなバス停留所だった。 道路に車は1台も通っていなくて、本当にここへバスが停ることがあるのだろうかと疑うほど静かな場所だ。ここなら誰も来なそうだと倒れるようにベンチに座る。 なんとも居心地の良い秘密基地だ。屋根もあって囲いもある。これからゆっくり休める。これからはここに来て独りで過ごそう。
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