わたしは「たま」

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 わたしは「たま」と呼ばれています。  わたしは人間というものに飼われている猫です。「たま」とは、私の飼い主がつけてくれた名前です。  人間は私に比べてとても大きくて、その大きな手がわたしの頭をさわろうとするとき、はじめはとてもこわかったです。でも、今はそのぬくもりがここちよく感じます。それに自分で食べものを探す必要もなくなったし、とても楽です。  わたしは毎日飼い主の家を出て、お散歩をします。近くの空き地である猫の集会にも時々顔を出します。そこにはわたしのような飼い猫もいれば、のら猫もいます。わたしはまだ数年しか生きていないから、年上の猫たちにここでいろいろ教えてもらいます。 「最近、おれの飼い主は食べものをくれないんだ。ずっと動かないし」  「トラ」と呼ばれている猫が言いました。でも、わたしの飼い主はちゃんと食べものをくれるし、なでてくれます。「たま」と呼んでくれます。
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