12人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
わたしは「たま」と呼ばれています。
わたしは人間というものに飼われている猫です。「たま」とは、私の飼い主がつけてくれた名前です。
人間は私に比べてとても大きくて、その大きな手がわたしの頭をさわろうとするとき、はじめはとてもこわかったです。でも、今はそのぬくもりがここちよく感じます。それに自分で食べものを探す必要もなくなったし、とても楽です。
わたしは毎日飼い主の家を出て、お散歩をします。近くの空き地である猫の集会にも時々顔を出します。そこにはわたしのような飼い猫もいれば、のら猫もいます。わたしはまだ数年しか生きていないから、年上の猫たちにここでいろいろ教えてもらいます。
「最近、おれの飼い主は食べものをくれないんだ。ずっと動かないし」
「トラ」と呼ばれている猫が言いました。でも、わたしの飼い主はちゃんと食べものをくれるし、なでてくれます。「たま」と呼んでくれます。
最初のコメントを投稿しよう!