私は大丈夫

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 小道の先の今にも倒壊しそうな家、その屋根代わりのブルーシートも積雪のお蔭で目立たず、いつもより町並みがうんと綺麗に見える。その家の本来の姿を知っている理香は日が差して光る雪に、数時間後の残念な光景も見えるようだった。  ――もっと、……。  理香は歩くスピードを少しあげる。隠さなければ生きてゆけない、自身をも疑う、不可解なものが心の奥底にあるから、後悔でも反省でもない言葉を積もらせている。そのことに彼女はとっくに気づいているのだけれども。この雪が解けるように、いつか彼女の心も解ける日がくるのだろうか……。                              〈了〉
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