蛻の殻 -モヌケノカラ-

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「誰か! 誰かいませんか?!」  ナナミは次第に声を大きくはっきりとしていった。そうして街中を走り回る。奴らが見ているかどうかなんて関係ない。 「ねえお願い! 誰か、生きている人はいないの?!」  息が切れるくらい遠くの町まで走った。けれども誰も返事をしなかった。 「どうなちゃったんだろう……。本当に誰もいなくなっちゃったのかな」  喉が渇いたのでコンビニに入った。ついでにお腹もすいた。電気も消えて誰もいない店内で常温のお茶とお菓子を手にとった。店員も客も誰もいないが一応、お金を置いておく。  この時はまだ東京以外の街は無事で、少ししたら自衛隊の人が助けに来てくれるなんで思っていた。しかしそんな淡い期待も、時の流れの中に消えた。
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