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電気ケトルで熱い湯を沸かし、コーヒーを淹れる朝が終わったのは、冬と秋が混じり合ったような寒く寂しい曇り空の日のことだった。
大学生の七橋ナナミは一人暮らしのマンションの窓から、その「何か」が東京の上空に降り立ったのを見た。白くて果てしなく大きくて神々しい。そしてそれはナナミが何の感情も抱く間もなく「攻撃」を開始した。
――異星人の侵略。あるいはそれに近い何か――
ナナミが事態を理解する前に、何が起こったのかを解き明かしてくれる偉い大人たちはみんな消えてしまった。奴らは光でも音でもない何か特殊な方法で、街を破壊することなくそこに住む人たちを消したのだ。
先生も友達もバイト先の店長も。たぶん同じように消された。死んだのか、今もどこかで生きているのかは分からない。
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