彼女にセフレへの移行を提案されました

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今までそんなことを頼んだことなど無かった。 この機会に一歩踏み込んで、もっと深く羽乃と関われたら… 「えっと…こ、こう?」 羽乃はたどたどしくもそっと擦った。 「うん…もっと強くても」 羽乃の手に自分の手を添えて握らせた。 「普段は、ふ、ふにゃふにゃなんだね」 羽乃の新鮮な反応に、啓太は苦笑いした。 「5年の付き合いだけど、知らないこともあるってことだ」 考えてみればこっち方面は余り積極的に開発してこなかった。 「ちょっと硬くなってきた?」 「うん…あ、もうそのへんで良いよ」 「そうなの?」 「後は羽乃を触ってたら自然に、ね、勃つから」 「そ、そう。なんかゴメン。良く知らなくて」 「むしろ詳しかったら気になるよ」 啓太は羽乃を仰向けにして馬乗りになった。 「じゃ、第2ラウンド行きますか」 羽乃は睨むように啓太を見上げた。 「の、望むところだ。来いっ」 啓太は声を上げて笑って羽乃の鼻先にキスをした。 「なんなのそれ。可愛い」 再び触れる唇から伝わる愛おしい気持ち。 擦り合う舌で求め合う心を確かめて。 触れ合う肌で存在を確かめて。 君を全部知り尽くしているなんて勘違いだった。 二人はもっと深く繋がれる。 心も身体も。 過ぎる時間と変化する世界の中でも 君と共に居れる方法を探っていくと決めたんだ。 「今日はベッドで朝まで一緒に寝てくれよな。 彼氏の特権を噛み締めたいから」 耳元で囁けば、羽乃がくすぐったそうに身体を揺らして笑った。
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