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謝ることもセフレ以下に成り下がった自分には烏滸がましい気がした。
腹を割って話し合う必要もなくなってしまった。
関係を続ける努力さえも出来ない。
相変わらず声を掛けてくる後輩にも積極的にはなれない。
羽乃へのわだかまりが開けた心の穴を他の誰かで補うのは、男として最低過ぎると思った。
休日、スマホに保存された羽乃と過ごした日々の画像を見る。
今まで見返すことなど余りなかった。
思い出が甦り、ベッドの上で一人笑い声を上げた。
その後虚しくなり、目を閉じた。
…寂しい。
痛烈に感じた。
とうとう堪らなくなり、昼休みに勇気を出して羽乃にメッセージを送った。
【今夜家に行っても良い?】
数分後届いたメッセージに肩を落とした。
【今日は仕事の後、友達と飲むから遅くなる】
【家で待ってる】
【私は明日休みだからゆっくり飲むつもり。啓太は仕事だよね、別の日に改めた方が良くない?】
啓太はスマホを伏せて頭を掻いた。
これは暗に拒否られてるのか?
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