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エビチリさま
ページをめくってくださった方、ありがとうございます。優しさが沁みます。
優しさに甘えてまたどうでもいい話をします。しかもまた食べ物の話です。
窪田えび、という名前ですが、ただのエビ好きアピールです。そう、アピってます。
小さな桜エビから大きなロブスターまで、なんだか無性にエビが好きなんです、もちろん食べるのが。
でもそのことに気づいたのは、つい2ヶ月くらい前のことです。えらい最近やな。
いや、子どもの頃から、なにかとエビの乗っているメニューに惹かれる自分だったわけですが、それが私にとっては当たり前の事すぎて、わざわざ「私はエビが好きだ」と認識していなかったんですね。
ある時家族で中華料理屋さんに行ったんです。私は0歳の娘のオムツを替えてから店に入りたかったので、夫と息子に「適当に注文しといてね」と託して先に入店してもらいました。
せっせと娘の服を直していると、夫から電話がかかってきます。
「ラーメンと餃子と酢豚頼んだけど、あとなんか食べたいものある?」
わたしはそこで「エビチリ!」と即答しました。すると夫は少し驚いてこう言うのです。
「エビチリ?海老天とかもあるけどエビチリでいいの?」
…愚問です。
『なんらかの衣をつけて揚げたエビさん』には巷で割とよく遭遇しますが、『エビチリさん』には中華料理屋でしか出会えないのですから、できるだけ美味しく嬉しく楽しくエビを食べたいエビ好きとしては、ここはエビチリさん、否、エビチリさま一択なのです(語気強め)。
少し遅れて入店し、娘を連れて席につくと、夫は
「エビチリって言うと思わへんかったわ〜!」
かなり驚いた様子です。
なんということでしょう。
「え、そう?エビチリ結構好きやねん、というかそもそもエビが好きやねん」
「いや、ほんまにまさかエビチリという言葉が飛び出すとは思わへんかった、意外やわ〜」
いやそんなに意外がることでもないやろ。と心の中でツッコミながら、妻の新しい一面を知ったとばかりに驚く夫に、こちらもなんだかびっくり。
そこで気づいたのです。そういえば私、これまでエビが好きってこの人に言ったことないかも、と。というより誰にも私がエビを好むことを伝えたことがないかもしれない。
小学校の時に女子の間で流行ったサイン帳(でしたっけ?平成初期生まれの方共感いただけますか?笑、名前とか誕生日とか好きな食べ物とか好きな人とか開けっ広げに書いて交換するあれです)の好きな食べ物欄にも、エビと書いたことは一度もなく、なんとなくその時思いついた果物等を適当に書いていましたから、この世に私がエビ好きだと認識しているのは、私自身ただ一人かもしれない、ということになります。
はい、非常にどうでもいいですね。
どうでもいいですが、人生なにが起こるかわかりません。いつ何時、このえびのひび読んでくださっている方と中華料理屋に行って先に入店してもらい、注文までお願いする流れになるかもわからないのです。可能性はゼロではありません。そういった時に「窪田さんは何が食べたいんだろう?」などと考える余計な時間を割かせてしまわないよう、念のために、私はエビが好きで、中華料理屋ではとにかくエビチリが食べたい人間です、ということをお伝えしておこうと思い、書き残した次第です。
ああ、エビチリたべたいっ。
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