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「マジで？！」
相手の顔なんて見てる余裕なんてない。
声だけを頼りに
うんうんと大きくうなづく。
必要以上に力が入ってる。
多分そんな気がする。
けど なんとしても
このチョコを受け取ってほしくて
手を伸ばす。
がさッと
私の手からペーパーバックが離れていく感覚がわかって咲也くんを見た。
「やったあ！！俺 チョコもらえた！！」
私の作ったチョコが
いま大好きな人の手の中にある。
「ひより！ありがと！マジでありがと！
超うれし！」
うんうんと大きくうなづく
何を話していいのかとかじゃなくて
声が出ない。
声を出す方法を忘れてしまったのかと思うくらいに声が出ない。
「開けていい？」
うんうんうなづく私を確認しながら
「あ。待って。
やっぱ俺‥家で開けるわ！
ゆっくりこっそりみるわ！」
こっそりについては 意味が わかんないけど
私のチョコは 間違いなく 彼の手元に届いてる。
ちゃんと彼を見る。
少しだけ いつもと違うような照れくさそうな表情
「渡せてよかった」
その一言を絞り出すように伝えたら
「ひより ありがとう すごいうれしい ありがとう」
と 私を見ながら 咲也くんが笑ってくれた。
もう一度
大きくうなづいた。
「それ どうしても渡したかったの。」
ホッとして やっぱり 涙 とまらなかった。
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