橙

僕はたぶん、頭が悪いんだと思う。

開発、発展、進化、そういった難しいことにかける人々の情熱が何一つわからず、世界の流れについていけていないという事実しかわからないのだ。

まぁ、僕になんてわからなくてもなんとかなってしまう世界で。

今のまま流されていけばいいと思えるから。

いいかな。

オレンジ色の彼女もいるし。

彼女はこんな僕にもとびきり優しいし。

目まぐるしく変わる街を二人で眺め、緑の広場で「やれやれ」と笑って過ごすのが今の僕にはとても大切な時間なんだ。