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水溜まりをうまく避けながら歩みを進める。
「あ」
見つけた。この道を渡れば緑の広場の入口だ。目印のけやきの木も見える。
今までの抜け道なんかとは違う大きな道路に立ちすくみ、彼女と顔を見合わせる。車が行き交い、渡るタイミングをよく見ないとひかれてしまいそうだ。
「今だっ」
ちょうど車の列が途切れたタイミングで僕と彼女は走り出す。
「渡れた渡れた!」
無事に道路を渡った僕達は興奮気味に緑の広場に駆け込み、いつもの場所に倒れこむように身を投げ出す。
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