白い夢

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白い夢

 なんとなくそういう日があるだろう?  訳なんてないけど、楽しかったり、落ち込んだり、イライラしたり、赤が目についたり。  なんかそういう日。  だから、今日は白い日。  目を覚ます前から、白くて楽しい夢のおかげで、わくわくしていた。  夢の中身はよく覚えていない。  ただ、大好きなあんたが、白い服を着てすごくすごく幸せそうに笑っていた。  その笑顔がとても嬉しくて、おれも笑った。  おれの大好きな大事な人。  ずいぶんと歳が上で、優しい人。 「くたびれたおっさんを追いかけてないで、もっと若くて年が近いいい男をつかまえろ」って、泣きそうな顔で笑う人。  そんなあんたが、手放しで何の憂いもなく笑っているから、とっても嬉しかったんだ。  おれはつまんない若造で、金も地位も名誉も何にもなくて。  あんたが褒めてくれる見た目や若さだって、あと何年かでなくなってしまう。  あんたを好きだって気持ちしか、おれにはない。  生まれた田舎町を離れて都会に出てきた、どこにでもいるようなガキだけど、あんたが好き。  ほだされてくれて、すごく嬉しい。  ホントはずっと笑っていて欲しい。  幸せな顔におれがしたい。  いつも願っているそんな思いが、かなった夢。
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