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蜂の恩寵 序章 その2
以上の通り、前身として研究解釈が行われてきた宗教学者は、宗教をまさに学問としてでしか見ず、古文書のインクの染みを追うだけの獣になっているのだ。信仰を前提とした研究が出来ていないゆえ、汚穢な宗教学者はPTSDや祈祷性精神病※4にも似た精神障がいを負った。奴等が書いていた論文(とも呼べぬ屑紙なのだが)は、「アヤワスカ等の覚醒効果を用いた認識機能の拡張からなる神的実体の生成と検証」という名で研究を続けていたが、国立薬学分析研究施設からの啓発文がメディアを通して公にされたことによって中止にされ、諸大学・研究施設の研究費は一年間で40%の大幅削減が行われた。この研究で用いられた覚醒剤は、先住民族がセレモニー(儀式)に用いる幻覚・幻聴をはじめとした効果を持つアヤワスカ(別名称→ヤヘイ・カーピ)という植物である。しかしDMTを含む薬品の取り締まりは、その時まで一つもなかった。
簡易幻覚剤は先進国※5の若者層を中心に流行っていて、特に「cheap」や「silly」などの派生種が高値で販売されていた。そして、DMTが引き起こす覚醒作用はトリプタミン類の原型となるアルカロイド物質によって起こるため、簡易幻覚剤は柑橘類から溶媒抽出法※6で抽出して生産されており、薬局で簡単に購入できた。個人生産・販売も盛んで、欧州地域では高濃度のものが個人販売から購入できたという記録が残っている。
それを踏まえて述べると、民間用を使って研究をした宗教学者が罪に問われるのは異様であると分かる。いやはや私は宗教学者共を庇うために言っているのではない!奴等が行った神的実体の証明は冒涜的で稚拙で虫唾が走る程の馬鹿馬鹿しい行為である。だが、奴等が安物のヤクを使って実験したことが何故犯罪となり得るのかに関しては疑わざる負えない。
もしかすると認識の拡張が実際に何らかの神秘主義的現象を引き起こすのか?
いや、媒介者の教員である私達が野郎の薬中見せ物小屋実験を検証する意味がない。
見てわかる通り、従来の研究は覚醒剤や睡眠・夢などの意識拡張が実体証明に繋がると考えられてきた。しかし、どれも同じく心霊主義的思考にしか留まらず、日常的宗教(↔︎本質的宗教・純粋信仰)の意味にしかならない。
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