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蜂の恩寵 第二章 その1
(総集にはこの文章は全文添削されている)
自由に書くことにしよう。ひとまず深呼吸だ。
血混じり、鉄混じり、地道に書くのだ。
私はこの文章を愛さなくてはいけない。いや、私がこの文章になるのだ。
第二章を書くのは、
私でもあるし、壁でもあるし、ドナウ河でもあるし、安山岩でもある。
私は私になってはいけない。いや、私は私であることを放棄した。
語彙力は言い換えれば表現の限界であり、
つまりは言語の限界、世界の限界なのだ。
この文章の場合、自由の字に白痴が含まれていることを
承知していただきたい。
私は論争が大嫌いだ。
嫌悪の字を分解し、相手の臓物に詰め込んでやりたい程度には嫌いなのだ。
自尊心は確かに重要だと私も思う。度々思ってしまう。
俗に言うマウントであるが、私自身、難語を用いて説明するしかない状況もあり、詩的あるいは芸術を中心に文体を整えた場合、陳腐で阿房臭く、馬鹿で、本心を一切拒絶する、まさしく欺瞞的文章そのものに陥ってしまう。これらはひたすらに排泄物のようで、私の隣人である反出生主義者すら唾を吐きかける文章に堕ちるのである。
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