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2.ゲリラ豪雨と屋根付きバス停で見る夢は
それは彼女と付き合って二ヶ月近くたったある梅雨の日のことだった
「にしても長すぎるだろこの雨、しかも強いし、こんなの警報レベルじゃないか」
そう言って俺は何分間かバッテリー切れ寸前のスマホと格闘していたその時だった。まるでタイミングを見計らったのかのように彼女はやってきた。彼女は白と青のワンピースの上におさがりであろう少しだけやれたアッシュグリーンのジャケットを羽織っていた彼女には少し大きめなそれはよく似合っていた。
「何スカイ速報アプリばかり見ているの。しかもバッテリー切れ寸前じゃないの。」
そう上から目線で言っているが、その綺麗な髪からはかなりの滴がたれてている。
「あら椅子があるじゃない少し座りましょう」
気付かなかった数分間スマホと格闘していたせいで今時田舎でもない限り見ない椅子付きのバス停だということを忘れていた。それから俺達は色々な事を話した。学校の事、自分たちのプライベートのこと等だった。その中で俺はこの二ヵ月思っていたことを言った。
「こんなところで言うのもあれだけど冗談でもなく俺は最初から宮城がすきだった。だからさ、ちゃんと俺と付き合ってくれるか宮城」
「そんなこと最初からわかってたわよ。私が四ノ宮君の視線に気づかないとでも思ってたの?それに私も四ノ宮君のことが好きよ」
そんな俺からの告白の後少し無言な時間が続いてちょっと変な空気が流れた。薄々感づいていたけれどこの人一人いないこの状況ああなるのは時間の問題だったかもしれない。のムードに我慢しきれずしびれを切らした宮城が少し甘えたこえで突然こう言った。
「えっとさぁ…四ノ宮君今度は本気のキスしよ」
宮城は上目遣いそう言っていたが顔は震えていた。
「いいよ」
そう言って俺は自分以上に頬が赤くなってる宮城の顔の方に目を閉じて顔を近づけ唇
を重ねた。その時の感覚は言葉にできない程甘くこれ以降手放したくなかった。この時にだけ名字ではなく名前の優衣と宮城のことを呼びたくなった。
その後少し気まずい流れてしまったがちょっと雰囲気を変えようとしてこう言った。
「そういえばさ、聞いてなかったけどさっきあんなことを言ったから絶対聞いとかないとっては思ったからさ」
「七月二十四日よ、四ノ宮君あなたは?」
「あぁ俺は十一月二十日だけど。とゆうと誕生日もうすぐじゃないか用意しとくから楽しみにしてて」
「ありがとう期待してるわ。」
「そのつもっりで」
そのあとすぐに俺の記憶が飛んだ。気づいたら俺は夕日がきれいに差し込む宇バスの中だった。その後いつの間にかバッテリーが回復していたスマホを見ると宮城からこんなメッセージが来ていた。
『プレゼント冗談抜きで楽しみにしてるわ。』
と今では古風なメールできていた、しかも件名は〈Re件名無し〉となっていた。
いつメールアドレスを交換したのか忘れていたが不意に思い出した。建前上付き合い始めて一週間がたった時いつも連絡が口伝えになるのは面倒くさいからとLINEとメアドを交換していた。交換したのはいいけれどほしい情報がすぐ送れるのでいつもLINEを使っていたせいでメアドを交換したことを忘れていたため今に至る。
翌日教室に行くとなぜかどことなく入りづらい雰囲気が漂っていたけれどその元凶は俺が思っていた通り君だった。入ると君はいつものように静かに文庫本を読んでいたが明らかに不満そうな顔をしていた。俺が席に着いた直後宮城が突拍子のないことを言った。
「次の週末四ノ宮君の家にお邪魔するからよろしく」
それを聞いた瞬間俺は数秒間頭が回らなかった
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