つのるもの

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冬の寒さを強く感じる時、思うことがある。 会えない時間と距離が積もるほどに、想いも積もるとか言うことに対してだ。 そして、そんなことをしたり顔でいうヤツがいたら言ってやりたい。 そんなものはまやかしだと。 降り積もる雪のように、会えない時間と距離が二人の想いも…… なんていうのは、寒さと痛みをしらないヤツが言うのだろう。 二人の間の時間と距離は、離れるほどに、心だって離れてしまうものだ。 冬の寒さが人に温もりを求めさせるのは事実だろう。 会いたい気持ちも強くさせるのも事実だろう。 でも、そんなものは一瞬のことだ。 どれだけ強く想い焦がれても、 冬の寒さに熱を奪われてしまう。 寒さに身をさらしている時に、 心まで凍えている時に、 思いが距離を超えるか? 想いが時間を越えるか? 気持ちだけで、寒さをしのげるのか? 満たされるのか? いつだって、暖めてくれるのは、 そばに在るぬくもりだ。 人の想いは、重なることでしか、 募ることはないのだから。
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