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「それではみなさん詠唱をしましょうか」 細身で気の弱そうなネイサン先生は教卓に置いてある本を見ている。 教室では生徒達が詠唱をして、手のひらに青色の球体を出している。 その中で、一人それができない青年がいる。 「クソっ! できない…」 青年の名前はアンドリュー。 身長は180cmくらいで細身の身体で、精悍な顔つきをしている17歳だ。 この魔法高等学校に主席で入学し、一年の終わりには学年別総合成績で2位に大差をつけるほどの成績を残して優勝した。 将来を渇望されたエリートとだった。 だが、今は違う。 ある事件をきっかけに彼はエリートから落ちこぼれへと落ちた。 「アンドリューくん申し訳ないけど、先に進むよ」 ネイサン先生は申し訳そうに、アンドリューの方を見る。 「はい。大丈夫です。すぐに追いつくので」 アンドリューは険しい表情で返事を返すと、両腕を前を出し魔法唱えるための必要となる魔法エネルギーを両手から注ぐ。 だが、アンドリューの右腕は皆とは違う。
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