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深夜の公園、白猫2歳くらいのオス、茂みに逃げ込む。
「今度こそ捕まえてやる!出てこい!」
中学生くらいの少年、紺色のジャンパー、黒いGパンに黒いスニーカー、吐く息は白く興奮気味
動く茂みに手を伸ばす
「痛った……クソ猫、今、殺してやる!」
右手の甲噛まれた跡は歯形が2ヵ所
「えっ!?……」
茂みからゆっくり現れたモノに懐中電灯を向けると、そこには白蛇がこちらを見ている。
「はっ、蛇?白蛇って縁起良いんだっけ?」
『何匹も猫の命を奪った者に明日はない』
「えっ?喋った?」
固まり顔ひきつる
白蛇の後ろから黒蛇が現れる
『噛んだのは俺だよ』
「……ぐっ、あ、あが……」
首を押さえて、もがき苦しみ崩れ落ちる少年
『俺の毒は回り早いから』
2メートルくらいの黒蛇と白蛇
少年の身体から出てきた少年の形をした半透明の魂を白蛇が飲み込む
少年の手の甲の噛み跡は消えていく。
人の出入りない時間帯、冬の公園、通りにも人はいない、もうすぐ新聞配達の車やバイクが通る時間
「シロ、クロおいで」
公園内、外灯下に立つのはミコト
素早くミコトに近づき蛇の姿から人へ変わる
白髪ショート、銀縁の眼鏡、白いスーツ上下、白い革靴のシロ
黒髪ウルフカット、黒いジャージ上下、黒いスニーカーのクロ
見た目は2人共に20代後半くらいの男性
ゆっくりと幽霊のように闇に消える3人
静かな公園に戻った、もうすぐ夜が明ける
いつもと変わらない歌舞伎町の夜
1月、最初の満月
花園神社
「今夜だね、あのホストが死ぬの。ホントに助けなくていいの?」
リンゴが隣に立つミコトに聞く
「寿命だって、そういう運命だって。
女神ヘカーテ様が言ってた。仲間にする。
実はりんご食べても何も起こらなかった、
純粋な魂だよ」
悲しそうな安心したような複雑な顔のミコト
「親はなくても子は育って?
あ、待ってよ。私も行く」
ミコトを追いかける
ビルの路地裏の奥、通りからは見えないように男が立つ、他に男が4人、男の足元にはブルーのハイヒール
常連客の誕生日プレゼントにと花束を買って、店に戻る途中の実、淡いピンクのマーガレットの花束、1月17日の誕生花である。
花言葉は真実の愛、信頼
ふと路地裏を見ると男の足の間から倒れてる女性が見えた、実は立ち止まり正義感から路地裏へ入る。
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