一時間の過ち

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

一時間の過ち

 ある日、変な雪が世界中に一時間だけ降りつもった。  それは、ありとあらゆる色を持っている珍妙な雪。  なんともおかしくド派手な異常気象。  人々は、困惑と疑問を次々と口にしていく。 「世界滅亡の前触れか?」 「いやいや、きっと何処かの国の違法な実験のせいだ」  世間は好き勝手に噂を立て、テレビは大いに騒ぎたててる。 原因究明の番組では 「これは宇宙人の仕業だ! 絶対に間違いない!」   などと自称高名な宇宙人学者が、鼻息荒く胡散臭い持論で力強く力説している。  …………言えない。  犯人が俺だなんて絶対に言えない。  だって、自分が作ったんだと証明しようにも、酔っ払って適当に作った薬だったから製造方法が分からないんだ。  まさか、捨てただけでこんな大事になるなんて。  …………あぁ、俺は一体どうしたらいいんだ…………。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!