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パパがそっと耳打ちしてきた。ママは皿をガシャガシャと音を立てながら食器棚に皿を片付けている。だから家に繊細なデザインの食器が一つもないのだと納得した。
「あなた達、そんなにのんびりしていていいの? 私もそろそろ買い物に出かけるわよ」
「あ、そうだ。今日は大事な会議があるんだ」
「私も! 体操着どこだっけ?」
「ほら、急ぎなさい」
ママが指を動かすと、クローゼットから体操着がぶーんと飛んできて、手提げ袋におさまった。クローゼットにしまっていたぬいぐるみがどさどさと落ちた音がする。
「そんなに嫌な顔するくらいなら、自分でやりなさいな」
「うっ」
「ほら、急ごうレイカ。ママ、いってきます」
「そ、そうだね。いってきまーす」
パパに促され二人で家を出た。パパは駅まで健康のために歩くと言う。私も途中まで一緒に歩く。頭上を箒にまたがった上級生達がふざけ合いながら学校の方へ飛んでいく。私も早く箒で登校出来る様に飛行試験に合格しなきゃと拳を握る。
「レイカはどんな魔法使いになるんだろうな? 今から楽しみだよ」
「パパ。そのセリフ何度目? ママみたいなパワー系になったらどうしよう」
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