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変えられる未来
――――意識を取り戻した時、私は何もない真っ白な空間にいた。
「ここは……」
「まさか、あの試練をクリアするとはねぇ、イレギュラーが有ったみたいだけど、それでも素晴らしいよ」
「達成か!? じゃあ願いを叶えてくれるんだよな?」
「勿論さ、あと君の異能についてだが、少しだけ弄ってそのまま君の物にしてね」
「異能? またあちこち飛ぶのか!?」
「いや、君の意思で飛べるようにするだけさ、過去や未来には飛べないし地球からも出れない筈さ」
「それなら良い、次は質問をさせてくれ」
「なんだい?」
「私が行かなければあの2つの世界は滅亡してないんだよな? そして、日本も」
「あれ、僕その事言ったっけ? あ、もしかしてブラフ? やっちゃったなぁ。君の言う通りエンちゃんもラークちゃんも生きてるよ」
「良かった……」
「質問は以上かな? それで、君の叶えて欲しい願いは?」
「俺の願いは……」
面接を終えた私は、以前より欲しかったゲームを購入し帰路へ着いた。
家に帰って腐るほど遊ぶぞっとその前に。
私はT字路の直前で止まって彼女が走ってくるのを待った。
ゲームを地面に置いて数秒、私の胸にトンとピンク色の髪の毛をした女の子がぶつかった。
「大丈夫?」
「わっご、ごめんなさい! って佐藤さん!? どうしてここに?」
あわあわとする彼女に笑って話す。
「以前の会社を辞めて、桜ちゃんの所の書店に面接に行ってたんだ」
「面接に? ってことは一緒に働けるの!?」
桜ちゃんはピョンピョンと跳ねて全身で喜びを表してくれた。
「やった、良かった……あれ?」
何でだろうとポロポロと溢れる涙を拭う桜ちゃん。
「それと話したい事があるんだ、書店まで送るからちょっと聞いてくれないかな」
私は無くなった未来で彼女とした約束を果たすべく、彼女と共に書店へと向かった。
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