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わたしが住んでいたところは、小さな村でした。田舎でね、山に囲まれた自然あふれる場所でしたけど、自然以外はなあんにもなくて。夕方にもなると外にはひとっこひとり歩いてないような、そんな静かで平和な村でした。
まだわたしが小学一年生の頃の話です。
都会から村に移り住んできた人がいてね。名前は……確か秋山さんといいましたかね。ええと……あきやま……あきやま……あきやまほしお。確かそんな名前でした。星の男と書いて星男。年齢は30代半ばだったと記憶しています。
村に人が移住してくるのは久しぶりのことでしたから、村人総出で歓迎の宴を開きました。みんな公民館に集まって、それぞれに材料をもちよって猪鍋を作ってね。猪鍋はご馳走ですから、子どもたちは大喜びで、わたしも早く食べたくて、ずっと鍋を覗きこんでいました。
大人たちは、なにか祝いごとでもない限り、おおっぴらにお酒が飲めませんでしたので、そういった意味では星男さんの移住は村人全員を喜ばせるものだったと思います。
その時は、ね。
みんなで鍋を囲んで、大人たちは顔を真っ赤にしてお酒を楽しんで……一見、平和そうでしょう?
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