タロット

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「出会いありますか」 少女はいきなりきりだした。 「どんなであいですか」 わたしは両手を膝の上にのせたままじっとききいった。 「優しくて、イケメンで、お金持ちのひとです」 「条件がきびしいのね」 「出会いが知りたいんです」 少女はむきになった。 「わかりました占ってみましょう」 わたしは右手でタロットカードを掴んでテーブルに置いた。 少女はわたしの手の動きを追う。 わたしは両手でカードをシャッフルした。 少女はだまって見守っている。 「右が良いですか左がいいですか」 「どういういみですか?」 「どっちを上にするのか決めて欲しいんです」 「決めればどうなるんですか」 「カードの結果が違ってくるの」 「なら右」 わたしは右を上にしてカードをケルト十字に展開し始めた。 そして最後の一枚をおいた。 展開したカードは全て伏せてある。 これからこの娘の運命が決まるのだ。
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