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 そんなことを考えていると不意に私の家の前に男が二人現れた。 私は心底驚き、声も出せないでいると、彼らはキョロキョロと部屋中を見回しながら話し始めた。 「ここのオーナー、結局夜逃げしたんだって?」 「まったく迷惑な奴だよ。借金とペット達を残してとんずらさ」 「債権回収するこっちの身にもなれってんだよな。こんなさびれたペットショップじゃ、買い手もつかないし、動物以外ろくなもんが残ってない」 「それに動物たちの飼育状況もよくない。夜間に騒がないように睡眠薬入りの餌を与えていたりと、かなりお粗末な飼育状況だったようだ」 「まぁおかげで運び出すのは楽だったがな。売れそうな動物から順々に出せたし」 「まったくだ。動物の飼育や運搬のノウハウなんて知らないからどうやって運び出したもんかと思ったが、餌さえ食わせちまえばみんな眠っちまうんだから。あとは夜まで待って人目につかないように運び出すだけ。案外楽勝だったな」 「犬猫なんかにギャンギャンわめかれると近所に不審がられるし、人目にもつきやすいからな。なんせ俺たちの債権回収のやり方も、とても合法なものとは言えないから目立つことは極力避けたい。その点今回はうってつけだったかもな」 一人が店内をゆっくり見回すと 「これで売却できそうな動物たちはあらかた運び出したが、もう残ってないよな?」 「たぶんな。そろそろ引き上げよう。施錠を忘れるなよ。ここはしばらく空き家になるだろうしな」 そう言うと男の一人が私に気付いた。 「おいこれ見ろ!まだ残ってるぞ。どうする?」 もう1人の男が私をのぞき込むと言った。 「放っとけよ、そんな小汚い亀一匹、二束三文にもならない」
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