失恋紙吹雪

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 二月の最終週、その金曜日。借りたい本があるという友人の付き合いで入った、地元の図書館。友人が目当ての本を探している間、別行動で書棚の間の狭い通路をうろついていた谷藤明寧(たにふじあかね)は布張りの背表紙を見せつけ並ぶ本の中に、ある近代文豪の日記集を見つけた。  明寧は数冊組の中の一冊をてきとうに選んで取り出し、パラパラ開き数ページ分だけぼんやりと眺めた。作家を生業とする人の書いた日記の文章は簡潔で、長いものでも一日分が十行を超えていなかった。  これに比べてと、明寧は九年書き続け、しかし最近書くのを止めてしまった自分の日記を思い浮かべた。作家、しかも後世に自分の作品が残ると信じているような文豪は私生活を綴った日記でさえ、いつか出版され世間に読まれるものだと認識して、それなりの作品として書いたに違いない。明寧の日記はそんなものとは全く違う。少女が日々思ったこと感じたことをぶつけ、誰に見せる予定もなく、なんなら未来の自分が読み返すことも考えずに書き殴ったものだ。  明寧の死後、その日記が出版され図書館の本棚に並ぶなんてことは絶対にないだろう。それは確かなのだが、もし今、近いうちに自分の人生が終わりを迎えたとしたら……親族には読まれてしまうかも知れない。いや、「かも」ではない。多分絶対に読まれるに違いない。  明寧は現在の所、身体は嫌になるくらいに健康。そして、心についてはついこの間、人生最大級に落ち込みはしたものの、自らの命を断とういう状態にまでは至っていない。しかし、人生は何が起こるかわからない。この帰り道に前方不注意のトラックに轢かれるかもしれないし、地震が起きて生き埋めになるかもしれない。数日以内に雷や隕石の直撃を受けるかもしれないし、飼い主の元から脱走した猛毒を持つペットの蛇に噛まれるかもしれない。  そんなことを考え始めると、もう明寧の頭の中は自室でカラーボックスの一段を占領している日記帳のことでいっぱいになってしまった。  明けて、翌日の土曜日。休日の午前中を惰眠に捧げることを常としている明寧は、珍しく十時前にはベッドから起き上がった。そして、カフェオレ一杯とトースト一枚だけの簡単な食事を済ませると、食卓を挟んで向かいに座るパジャマ姿の父親に、父所有のシュレッダーを貸して欲しいと頼んだ。  「年末でも学期末でもないのに、なに処分するの?」と聞いてきたのは父ではなく外出の支度をしていた母だったが、「思い立った時に片付けた方がいいでしょ?」と明寧は質問の肝心な部分には答えなかった。  キャスターを転がしシュレッダーを居間から自室へと移動させた明寧は、カラーボックスから日記帳十数冊を取り出し、床に積んだ。そうしたところで、一番上にきたのはファンシーキャラクターが雲と共に浮遊する表紙の鍵付き仕様のもので、それこそが明寧にとっての記念すべき人生初の日記帳であった。  日記を始めたきっかけは、自分だけの秘密を持つことへの憧れからだった。集合住宅で両親と二つ年下の弟と四人暮らしの明寧の生活は良くも悪くもどこまでもオープンで、明寧は小学生に上がった頃からか自分一人の領域を持ちたいと感じるようになっていた。  そこで、目を付けたのが日記というツールだった。小学二年生だった年末、姉の持ち物ならなんにでも興味を示す弟を警戒して鍵付きを選び、自分の小遣いをはたいて購入したのだった。年明けから毎日欠かさず書くのだと、楽しみにしていた。だが翌年、生来の飽き性を発揮してしまった明寧の日記は、元日から僅か五日で途切れた。  無意識に正座の姿勢になっていた明寧は最古参の日記帳を手に取ると、表紙をめくり、一月一日の日記を読んだ。行をはみ出す大きな子供の字で書かれていたのは、雑煮を食べたこと、自分宛ての年賀状が届いたこと、それから、日記を続けていこうという意気込みについてだった。  次のページには、近所の神社に初詣に行ったことが書かれていた。ガタガタと落ち着きのない文字の列の中に、今は連絡を取ることも無い当時の親友の名前を見つけた。  この日記を捨ててしまえば、あの子とあの時一緒だった記録が無くなるんだ。全ての日記帳をシュレッダーにかける。昨日、図書館でそう決めた筈の決意が急に揺らぎだした。  処分するのは、もっと後の日記からでじゅうぶんでは?明寧は幼かった時分の日記を残す方向へと心をかなり傾かせながら、一月五日まで日記を読み進めた。そして、知らず知らずのうちに唾をひと飲みしてから、ページをめくった。  バン!  明寧は勢いよく、日記帳を閉じた。閉じた拍子に起こった風が前髪に触れたのにも、ぞわりとした。 「無理」  呟いてから、見てしまったばかりの二月十日の文面を必死に頭から消し去ろうとしたが、無駄な足掻きだった。  九年前の二月十日。それは、温暖な気候の土地にも珍しく雪が降り積もり、明寧が住む家の近所も滅多に見られない銀世界へと変わった日だった。仕事を持つ大人や交通機関を利用し通学する学生たちには厄介な日だったろうが、徒歩通学の小学生には楽しいだけの一日だった。  その日、授業が終わると明寧は急いで家にランドセルを置きにだけぶ帰り、その後は、友達と集まり雪だるまを作ったり、通りがかりの見知らぬ子たちと雪合戦をしたりした。  自分の手持ちの雪玉を失い、敵方から投げられる雪玉を避けて夢中で走っていた明寧は、タイヤの轍と昼間の日光のお陰で既に表面を見せ始めていた濡れたマンホールで、足を滑らせ派手に転んだ。  雪上に倒れ込んだ小学二年生を助け起こしたのが、当時高校生の上山洋保(かみやまひろやす)だった。  二人の出会いについては、その夜、明寧の日記に、これ以上なく詳細にしっかりと記録された。時間にして僅か十数秒の出来事を書くのに三ページも使い、事実の説明よりも感情を表現することに圧倒的な文字数を費やした。  読み返せば、誤字脱字の激しさからも当時の自分ののぼせ具合が伝わり、居た堪れない。これが、子供だったからこその遠い過去の癖として割り切れればまだよかったが、今現在の明寧も相変わらず感情に突き動かされた状態で文章を綴ると誤字脱字を頻発させてしまっているので、もうどうしようもない。  やけに力が篭もる両手に挟まれた、水色の日記帳。それを再び開く勇気は明寧には湧いてこなかった。しかし、その後の日記の内容についても残念ながらしっかりと記憶にあった。  初対面の雪の日から数日後、明寧は母から、同じ棟の二階に新たに家族が引っ越してきたという話を聞いた。一家には高校生の一人息子がいるということも知った。もしかしてあの時の男子高生ではと心密かに期待していると、後日、階段でその彼と出くわした。  明寧は、先日助け起こしてくれたお礼を言おうとし、結局、まともに声を出せず、真っ赤な顔ではくはくと口を動かすことしか出来なかった。  当時の洋保と変らない年齢になった、今の明寧にならわかる。目の前で十近く年下の近所の子供がまごまごしていてたら、優しく気長に待ってやるのが年長者としての普通の対応だ。  しかし、子供ながらも気持ちだけは一人前の女だった明寧は、その一般的な優しさにまたしても過剰に舞い上がり、洋保こそが自分にとっての唯一の王子様なのだと思い込んでしまった。その思い込みを、それこそが真に恐ろしい話だが、明寧は九年間、つい最近までずるずると持ち続けたのだった。だから、明寧は日記に綴った思い出を過去のものとして笑えない。寧ろ現在の自分を笑うしかない。  勘違いと勝手な思い込みしかない初恋の記録は、その後も延々と記されていった。  そのうちに母親同士が同郷ということがわかり、洋保の家と明寧の家は他より少し仲が良いご近所さんという関係になった。田舎から送られてきた食材を分け合ったり、旅行の間に鍵を預けペットの小鳥や観葉植物の世話を頼んだりといったことが、互いの家の間で行われるようになっていった。明寧が数学のテストで赤点を取った時には、洋保に家庭教師まがいの役目を勤めてもらったこともあったし、逆上がりの練習に付き合ってもらいもした。  ただの、ちょっと仲が良いだけの家族同士。その家の、子供同士。洋保と自分の周辺について、少しでも客観的な目が明寧に備わっていたなら、それだけの関係だとわかっただろうに。明寧は家族や同級生を覗けば比較的遭遇率の高い男性である洋保と自分との間には特別な縁がある筈だという妄想に、どっぷり嵌り込んでしまった。  その明寧の妄想は、洋保に「彼女」というものが出来た時にも揺らぐことはなかった。いや、揺らぎはした。ただの友達とは違う雰囲気を醸し出す二人を家の近くで見かけた明寧は、三日間お菓子は食べられても食事が喉を通らない有様となったが、結果として二人は別れたので、明寧の深刻な勘違いが正されるには至らなかった。  その後も、明寧の知る限り洋保は四、五人の女性と付き合ったが、どの交際相手とも長くて一年、短くて二ヶ月程度で別れたので、そのことから最終的には洋保の相手は自分で間違えないのだと、明寧はかえって謎の自信を深めた。  洋保は大学卒業後、就職を機に引っ越し、盆と正月、それ以外の年数回しか実家に帰らなくなった。顔あわせる機会が激減したというのに、いつかは結ばれるという根拠皆無の考えに憑りつかれて続けていたのだから、明寧は子供の頃よりも更に愚かになっていたと言えた。  勘違いしかない妄想を、誰にも知られてはならない戯言を、明寧は季節の行事や友人たちとの思い出とともに少なくない分量、執拗に日記帳に書き込んでいった。  毎日は書かなくても、印象深い出来事があったり感情が昂ぶったりした時などにページの枚数を気にせず気の向くままに綴った日記は、飽き性の明寧にとってはほぼ奇跡と言ってもいいが、九年間、それなりに続いた。  そんな明寧の日記は、しかし、去年の年末から一ページも、一文字も書かれなくなった。  あの晦日の日。コンビニに年賀状を買い行こうと家を出た明寧は、共用階段を降りたところで、実家に帰省していた洋保と数ヶ月ぶりに顔を合わせた。彼の横には、彼と似た年頃のロングコートを着た女性が立っていた。 「明寧ちゃん、久しぶり」  明寧はぐいっと、焦点を洋保にだけ合わせた。 「お久しぶりです。えーっと、今年もお世話になりました」 「こちらこそです。買い物行くの?」 「うん」  あとは二人「良いお年を」と言い合っただけで、洋保が明寧に女性を紹介することはなかった。明寧の方は「彼女?」なんて尋ねる余裕まではなかったが、それでも、どうせ彼女もいずれ別れる相手なのだろうと思い込んでいた。だから、明寧は女性に軽く会釈だけした。その女性は、明寧にされたのよりも深く頭を下げてきた。  二人と別れた後、明寧はコンビニまでの道を歩きながらふと気付いた。そういえば、年末のこの時期に洋保が交際相手を連れて来たのを見たのは、初めてだったかもしれない。  その晩、明寧の母はリビングで風呂から上がった娘の顔を見ると、思い出したように言った。 「夕方に上山さんと会ったんだけど、ヒロくん今年はもう帰ってきてるらしいわよ」  明寧は濡れた髪を肩にかけたタオルで拭きながら冷蔵庫のフリーザーを開け、アイスバーを取り出した。 「うん。昼間に下で会った」  個包装の袋を破って、ごみ箱に捨てた。アイスの先を咥え、食卓に置きっ放しにしていたスマートフォンの着信を確認した。友達からメッセージが三件入っていた。 「彼女が一緒だって。美人な子だって言ってた」 「えー?ちらっと見たけど、美人って言うなら前付き合ってた中でもっと綺麗な人いたよ」 「前付き合ってた中でって、あの小柄な子のこと?髪短めの」 「違う。その一つ前に付き合ってた人」 「よく覚えてるなぁ。それでさ、ヒロくん、今度連れて来たその彼女と近々結婚するんだって」 「……」            ケッコン。話の流れの中では唐突でないその言葉が、なぜか明寧の頭の中では上手く変換されなかった。 「しかも、既にお目出度なんだって。『自分がおばちゃんになるなんて信じられない』って上山さんは言ってたけど、嬉しさ隠せてなかったわぁ。明寧の初恋の王子様が結婚だってさ。時が経つのは早いというか……」  人の気持ちに疎い所がある母の前から、自分はどうやって移動してきたのか。気が付いた時には、明寧は自室のベッドに腰掛けていた。暖房がついていない部屋で、溶けたアイスが棒を伝い明寧の手を汚していた。  これまで洋保がどれだけ他の女性と付き合おうと、明寧はそれを本当の運命に辿り着くまでの寄り道でしかないと解釈していた。そうし続けていた。  ケッコン。結婚?そして、昼間に洋保の隣で明寧に会釈を返した女性は、ただの彼女ではなく婚約者で、近く彼の妻になるヒト?しかも、彼女のお腹の中には、もう二人の子供がいる?  母の話の中に、明寧の恋心を守り安心させてくれる要素は何一つ無かった。明寧の小指に結ばれていた筈の赤い糸が、ぱらぱらと細切れになり儚く消えた。 「ヒロくん、ちょっと待ってて」  明寧がシュレッダーから、元は日記の細断された紙屑をゴミ袋に移し終えた時、窓の外から女性の声がした。若い女性の声ではなく、明寧も日頃よく親しんでいる、二階下に住む「上山さん」の声だった。  明寧はゴミ袋の端を日記帳の解体で疲れた手で掴んだまま、窓の外を見た。建物の前の道路にはダウンジャケット姿の若い男性が、洋保が立っていた。  窓の下に洋保がいる景色は、明寧にとってよく見慣れたものだった。窓際で団地の下を通る人影を見かけ、それが洋保であった場合には明寧はほぼ必ず窓から彼の姿が見えなくなるまで見ていたし、様子をみて声をかけることもあった。  しかし、洋保が完全に人のものになるのだと知った今、明寧は彼を遠くから見るだけでも遣る瀬無い気持ちになり、当然、声を掛けようなんて気も起きなかった。  明寧の足下から、再び声が聴こえてきた。 「玉子と牛乳も買ってきて。あと、炭酸水も。小さいの二本でいいから」 「わかった」 「よろしく」  窓が閉まる音がした後、洋保は歩き出した。その頭頂や肩を見ているうち、明寧は胸の方からなにやら込み上げてくるものがあった。恋情ではなかった。それを由来としつつも、異なる感情だった。  自分の方は去年の年末以来落ち込み続け、二ヶ月近く経った今日もどうにか気持ちの整理を付けようともがいているというのに、そもそもの苦しみの原因となった彼の、暢気に歩いているあの姿、あの様子は一体なんなのだろう。  実家の二階上の住人が自分に向けた恋心を綴った長年の日記を、だからこそ処分を決断しただなんて、きっと彼には思いも及ばないことなのだろう。それは、そうだ。歳が離れている以上に、彼にとって明寧の印象は初めて会った時の小学校低学年の子供のままなのだろうから。  それでも、彼は感じなかったのだろうか。控えめでもない性格の明寧が彼の前でだけは大人しくなったり、誕生日やバレンタインデーに少ない小遣いから奮発してプレゼントを送ったり、大学受験の時には電車を乗り継いだ場所にある神社のお守りを渡したり、そういった少女の行動の、その真ん中にある思いに、ほんの少しでも気付くことはなかったのだろうか。  なかったのだろう。洋保にとって明寧は、ただ自分を慕ってくれる数学が苦手な少女、近所に住む「ただの良い子」、それだけだ。  もうやだ。ただ良い子なんて、それだけだと思われたままなんて。  本当の明寧は違う。好きになったのは子供の時だったけど、恋する気持ちは本当に本物だった。憧れなんてものじゃない。日記帳を十数冊消費するほどの時間、盛大な勘違いだったとしても、彼だけに恋して彼だけを想い続けた。その想いの強さと年月の重量こそが、今、明寧が右手掴んでいるゴミ袋の重さだった。  血迷った、としか思えない。唐突に、明寧はシュレッダーにかけた日記の紙屑全てを、四階上空から洋保にぶっかけてやろうと思い立った。独りよがりの勘違いだったとしても、長年積み重ねてきたこの想いを彼にぶつけてやろうと決めた。  突然の暴挙の被害者になった洋保が、加害者が何者かを確認しようとこちらを見上げたら、彼がそこに「ただの良い子」の姿を見つけたなら、彼はどんな顔するだろうか。忌々し気に表情を歪めるのか、それとも、驚きでただ間抜けに口をぽかんと開けるだけなのか。  どんな顔でも、降りつもった紙屑の中で優しいお兄さんぶった以外の顔を見せてくれれば、それでいい。明寧の愛憎燻る胸の内にも清々した風がようやく吹き込んできてくれるだろう。その後の片付けのことや、洋保との関係のことまでは考えなかった。考えてしまったらとても実行できないので、考えないことにした。  明寧に悩んでいる時間は無かった。迷ってなんかいたら、洋保は窓の下から離れて行ってしまう。だから、決めてからの明寧の行動は早かった。窓を大きく開けた。それから、紙屑の詰まったゴミ袋を持ち上げ手摺の上まで持ち上げた。それを一気に傾け 「待って。私も行く」  洋保が振り返ると、一緒に彼の実家に来ていた恋人――この春に結婚する予定の婚約者が、彼に駆け寄ってきた。 「ドラッグストアで買いたい物あるから」 「何買いたいの?言ってくれれば、ついでに買って来るけど?」 「ううん、行くよ。ちょっと歩きたい気分だし。天気もいいしね」  彼女は建物の方をちらりと見てから、空を見上げた。 「そう」  もしかしたら、彼女は洋保の両親とだけと一緒になるのが気拙かったのだろうか。そんなことをぼんやりと考えた洋保の視界の端に、ハラリと白いものが落ちた。一瞬、雪が降ってきたのかと思った。だが二月と言っても、今日は恋人が言った様に雲を探すのが難しいくらいの天気で、いくら頭上を見回しても雪の気配はどこにも見つからなかった。 「どうしたの?」 「いや、いま」 「あ」  恋人は洋保に手を伸ばすと、肩のあたりを触った。 「なんか付いてたよ」  彼女は自分が摘まんだものを洋保の手の平に渡した。それは横が数ミリ、縦が一センチほどの、触った感触から多分、普通のよくある紙だった。洋保が見下ろすと、その小さな小さな紙片は彼の足元に近い場所の道路にも数十、落ちていた。どこからか零れ落ちたシュレッダー済みの紙が風で飛ばされて、ここまできたのだろう。  洋保が紙片から指を離すと、殆ど重さの無いそれは簡単に風に吹き飛ばされた。それは道路に落ちていたのも同じで、風に流されあっという間に洋保の足元から離れ散っていった。
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