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 澄んだ空気を伝って遠くから、救急車両のサイレンが聞こえてきた。  小さな小さな電子音――  やがて、冷えた夜の層がそれを覆い消す――  濾過してしまう――  それから静寂――  透明な漆黒が辺りを包む。  空の星々――  小さな小さな煌きたちが――  瞳に染み入り……  内に染み込む。
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