幸せデート旅

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セント・トーマスまでの道のりは、馬を駆ければ1日で着いてしまう距離だが、フランチェスカとの婚前旅行で急いでどうすんの?1泊2日になってますよちゃんと。 宿泊用のテントも用意してあるよ? パカパカ一定の速度で進む道程は、フランチェスカのうなじから匂ういい匂いに包まれた、最高のひとときだと言えた。 「こいつも年寄だからね。途中、馬を休めないとね」 「そうねー?この子幾つかしら?」 「うーん。前に借りた時3歳だったから、今9歳くらいじゃないか?」 「前に借りたの?何で?」 そりゃあ。まあ。ショーグン可哀想だったなあ。 俺とかつての英雄、クリストフ・ギオのことを知っている人間は、校長だけだしな。 関係した時間が思った以上に長いのは、気が抜けないな。 ああそうだ。バーミリオン・サンズはもっと遠いから、俺が殺った大物貴族の研究者はセント・トーマスとは関係ないし。 その辺全部クリーンな場所を選んだし。 ところで、手綱を握ってると、フランチェスカの豊かな横乳がフニンっとしてて、ああ堪らん。 休憩するポイントは地図で把握してるしなあ。 北側の森がある、川縁だよなあ。 馬を休ませるなら、水場が基本だし。 ああ♡フランチェスカが川縁に立ってて。 おっかなびっくり川に浸けた足。チラチラ見える太腿ちゃん。 スカートを捲り上げて、水と戯れる婚約者。西陽を浴びてキラキラ光る水の雫。 いつでも出来る関係の素晴らしさ。 お互い覚えたてだとホント際限がないよね? 改めて考えちゃうよな。結婚。 出来れば、出来れば妊娠前にしたい。 でも、金がなあ。俺今全財産1万5千しかないし。 インフェルノホルニッセ、1000匹くらい買ってくれる誰かはいないかな? 今、ジャスト1万います。 捕まるってだから。保護動物の密売になっちまうし。 他に売れそうな生き物だとヒュプノスラッグかパンクロニウムワームくらいか? ああこないだ貰った給料全額注ぎ込んで買ったんだよモルドールドクトビトカゲ。 雄雌ペアで、締めて12万5千ループ。 あんまりなあ、生物の裏取引はなあ。 結婚したら、あんまり買えないしなあ。 何だろう。モルドールドクトビトカゲの繁殖に思いを馳せてると。 ん?フランチェスカ、何で赤くなってるの? あ。ワンちゃんが、お尻に当たっちゃって。 「ちょっとーー休憩しよ?」 その気になっちゃった俺は、頬を染めたフランチェスカにそう提案した。 その後、不必要な休憩を何度も入れたけったいな旅程を越えて、セント・トーマスに到達した時には、 2日目の黄昏時になっていた。 まあ、何はともあれ、俺達は着いたんだ。目的地に。 フランチェスカは、もう立っていられないほど疲れきっていた。 あれかな?木に両手を突かせてお尻パンパンしすぎたのかな? だって子宮降りてきてめっちゃコリコリしてたんだもん。 「お願い。お願いだから、休ませて。ホントに腰が」 ちょっと納得行かなかった。
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