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「問題無い。だが仮に『絶廻』の剣ならば何が起こるかわからない。もしこれが最悪と呼ばれている方ならなおさらな」
「最悪って……おいっ、それって!」
「確かめなければ何もわからないんだ。もし最悪ならば噂通りのことが起きるだろう、その時はウェイズ、後のことはお前に任せる」
「……は?ちょ、ちょっと待てよ……何言い出して…」
「妙に思っていただろう、最近になってから何故俺がお前を連れ出し任務に当たっているのかを。つまりはそういうことだ」
「………」
「俺の次はお前しかいない。ウェイズ・サウレイル」
「っ…!」
「………さあ、確かめよう。これが『絶廻』のどちらかなのかをッ…!」
ウェイズという名の青年の呼び止めを振り切り、男は剣を掴み地面から勢いよく引き抜いた。
露になる刃。
埋まっていたにも関わらず土の付着が無い刀身。
その色は───黒と赤。
「ッッ──!!?」
気づけば世界が変わっていた。
赤い天と地。天に浮かぶ漆黒の雲は風も無いのに緩やかに漂っていて、男の正面には宙に浮かぶ一本の剣があった。
切っ先を下に向けたまま佇む剣を警戒しながら見つめる男。
〈汝、豪傑の者と見たり〉
「ッ…!?」
剣が喋った、そんなあり得ない事態に直面して驚きを露にする男は咄嗟に身構えた。
〈我を手にした豪傑の者よ。汝に我を振るうに値する器があるか、これより見定めよう〉
「……見定める、だと…?」
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