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〈豪傑の者よ〉
剣は言った。
男へ告げた。
〈その身をもって、汝の真価を我に示せ〉
そして、そして、そして───。
剣が雑草の上に落ちた。
「……………………ボス……?」
なんだこれは。
本当に現実で起きたことなのか。
男は剣を引き抜いた。埋もれていた刃に息が詰まった直後、瞬きよりも早い一瞬で───男の体はバラバラになった。
崩れて次々に地面に落ちていく男の肉体。まるで何かに切り裂かれたような綺麗な断面をしていて、しかし衣類には切られた痕跡は無い。男の体だけが、突如として細切れにされたのだ。
「…………なん、だよ…これ…」
信じられず、受け入れられず、けれど全ては真実で。
ウェイズは尻もちをつき、見るも無惨な男の惨状をただただ見つめる。
何もわからない。
わからないだらけだ。
でも、一つだけわかったことがあった。
「───…最悪の『絶廻』……アストバレスタッ…!!」
剣は音もなく忽然と消失。
束を握ったままの形で固まる、憧れて、追い求めた男の右手を置き去りにして───。
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