第0話 頂に手をかけた騎士たち

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「───エマリエーカ王国より通達、『赤熱の女神』を含む者たちにより『八類王』は撃破されたようです」 手紙を運んできた『ブリングイーグル』によって事態の終結を知った者たちは一先ず安堵した。 突如現れた人類を滅ぼす存在『八類王』は見事撃破された。さすがは人類最強と呼ばれた『赤熱の女神』と、そんな彼女に認められ並び立った強者たち。 万が一に備えて待機していた一同は出る幕を失ったが、結果として人類が勝ったのならなんの不満も無い。 「『八類王』の危険は無くなった。なら早速動くぞ」 立ち上がって声を張ったウェイズは共に待機していた仲間たちに向き直る。 「ボスの仇をなんとしても討つ。どのみち、あんな異常な剣があるとわかった今放置なんて出来ねえ。俺たちでやるんだ」 「しかし、『絶廻』の剣はどちらも幻の剣と呼ばれていて所在はわかっていません。世界中から二本の剣を見つけ出すのは現実的ではありませんよ」 ウェイズに返したのは眼鏡をかけた茶髪の女ナタリー・スルネイ。 「手がかりがゼロの状態で探すとなると一生かけても見つかるかわかんないもんね~。うん、現実的じゃないね」 「だにゃー。どうするよ新団長、何か策あんのかにゃあ?」 この場にいる者の中で最年少である橙色の髪をした少年パーキ・アンバイヤにふざけた語尾で賛同する青い坊主頭の男デムズ・モランガ。 「むむむ!?もしかしてみんなキンシャイちゃんの存在忘れてる!?キンシャイちゃんの探知能力見くびってるよ!」 「お前のイカれた探知能力でも世界中は無理だろドアホ。なんの宛も無く彷徨いて見つかるようなモンでもねえんだし、考えて喋れボケ」
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