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「各国の王や領主、情報通な商人に掛け合っても全く情報が得られねえなクソッタレめぇ」
「やはり無理がありますね、『絶廻』を探し出すのは」
葉巻を咥えながら漏らすリガルドにナタリーもため息をついて賛同。捜索開始から早一月が経過し、情報の少なさにうんざりしていた騎士たちは丸いテーブルを囲っていた。
「キンシャイちゃんも疲れた~…ウェイズに毎日連れ回されてヘロヘロなのですよ~…」
「キンシャイでも見つけられないならマジで難航だにゃー。ムーバーの方も全然っぽいしにゃー」
「最初から無理な要求なのは知ってた。だって見たこと無い物だし」
類い稀なる直感の持ち主であるムーバーもお手上げ。何に置いても情報が必要で、それが無いことにはどうにも出来ない状態に陥ってしまっていた。
「だが、人間がいる範囲には無いことだけははっきりしてるんだ。後は人間のいない場所を手当たり次第探るしかない」
「リーダー、それなら一人話を持ちかけてみてもいいかもしれない人がいますよ?」
「誰だ?パーキ」
「『赤熱の女神』ですよ。あの人は人類最強と呼ばれている『探索者』です、もしかしたら何か知っているかもしれません」
「……『探索者』を辞めて数年経つが、確かにあの女は未開拓地をいくつも探索しているな。頼る人選としては申し分無いか…」
「ということは、エマリエーカ王国に行くんですね?」
「二手に分かれてな。俺とキンシャイとムーバー、それとリガルドは捜索を続けて他の者たちは『赤熱の女神』に会いに行け」
ウェイズ、キンシャイ、ムーバー、リガルドで捜索続行。ナタリー、パーキ、デムズがエマリエーカ王国へ向かうことになり、決まってすぐに行動に移す。
「パーキ代わってくんね?久し振りに里帰りしてえし」
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