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「僕は構いませんが、どうします?リーダー」
「リガルドはダメだ。お前『赤熱の女神』に喧嘩売るだろ」
「リガルド戦闘バカだもんね~!」
「チッ、バレてんのかよチクショーめ。わぁったよ捜索やりゃいいんだろタコ」
「ですがウェイズ、捜索と言ってもどこへ向かうつもりなんですか?」
「探すなら人間のいない未開拓地だが、様々な武器の元になっている金属が採掘出来る『ハイクォール鉱山』も気になるからな、まずはそこから行くつもりだ」
「あの何もかもが固い物ばっかのとこか。まぁ行ってみるのもアリかもにゃー」
「四日後に戻る、それまでにエマリエーカ王国に行くお前らも捜索をしてろ」
「了解です」
四人と三人がそれぞれの目的地を目指して出発。移動の足は自分の足、馬を使うよりもずっと速く、何より『ワールド』を使って飛べば時間のロスは最小限に抑えられる。
ナタリー、パーキ、デムズは並んで飛行し山々を越えてエマリエーカ王国を目指して進んでいると、もうじきエマリエーカ王国が見えてくるくらいの距離まで来て、
「……?感じましたか?」
「微かに『ワールド』の波動を感じましたね、それもかなり濃い物でした」
「一応確認してくかにゃー」
エマリエーカ王国南西の森林。あそこには商人たちが使う道も無いし人間が住んでいる話は聞いたことが無い。何より今しがた感じた『ワールド』は非常に気になる。
森林の感知ポイントへ降り立った三人は警戒しながら辺りを見渡す。
「………む?」
するとパーキの目に、木陰から歩み出てきた一人の男の姿が映り込んだ。
「───なかなかの強者と見えるけれど、エマリエーカ王国の人間ではないようだね。こんな所へ一体なんの用かな?」
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